Top / 03 — Physics / Sim 010
SIM — 010 / Physics × Engineering

マスドライバー、
発射。

ロケットは燃料を持ち上げるために燃料を積む、という無駄の塊です。なら地上で電磁加速して投げてしまえばいい——それがマスドライバー構想。加速G・レールの長さ・角度・場所のレバーで、1トンの貨物が「どこまで飛ぶか」を試します。立ちはだかるのは大気の壁、Gの壁、そして「どれだけ速くても軌道に乗れない」という物理の意地悪です。

Mass Driver — Throwing Cargo at the Sky Live Simulation
貨物の弾道 宇宙との境界(100km)
G-Force — 加速G(対数ダイヤル)
30G
Rail — レールの長さ(対数ダイヤル)
100km
Angle — 発射角度
30°
Site — どこから撃つか
Preset — 有名な構想で撃つ
No fuel. Just rails and rage —
どこまで飛んだか
出口速度
大気に食われた速度
人間が乗ったら

How to Play

  • まず海面から7.9km/s(第一宇宙速度)で撃つ——大気に5km/s食われる現実を見る
  • 月面に切り替える。たった2.4km/sで月の重力を振り切れる。マスドライバーが「月の技術」と呼ばれる理由
  • どれだけ速くしても周回軌道には乗らないことに気づく。ヒント:撃ち出された楕円は、必ず発射点の高さに戻ってくる

人間を乗せたいなら3G——必要なレールはおよそ1,000km。東京から福岡までリニアの加速レーンを敷く話になります。

Model

  • 出口速度=√(2×加速G×レール長)。電磁加速の効率・摩擦・電力は無視
  • 飛行は中心重力+指数大気(密度は高度8.5kmごとに1/e)の数値積分。貨物は1トン・断面0.5m²・Cd 0.2
  • 「軌道に乗れない」のは法則:地表から投げた楕円は必ず発射点の高さへ戻る。軌道化には上空での追加噴射が必須
  • 空力加熱(先端が溶ける)と衝撃波は無視——実際はこれが最大の難関

Note

月面マスドライバーは1970年代のオニール構想の中核で、月の資源を宇宙コロニーへ投げる輸送機関でした。大気がなく重力が1/6の月では、このページの数字どおり「ただのレール」で宇宙輸送が成立します。地球では遠心力で投げるSpinLaunch等が実験中——大気とGとの戦いは現在進行形です。

参考:G. K. O'Neill "The High Frontier" (1976)、J. ヴェルヌ『月世界旅行』(1865)